先日、神奈川新聞にて、現在長浦にあるベイスターズ総合練習場の機能を追浜に移転すると報じられたが、この報道通りに、長浦から横須賀スタジアム・追浜公園に練習場・選手寮などの機能を移転するという旨が球団から正式に発表された。長浦のベイスターズ総合練習場を訪れた方なら分かるだろうが、非常に手狭であった。グラウンドこそ横浜スタジアムとほぼ同じ広さはあるものの、ブルペンはうなぎの寝床のようで室内練習場も手狭。土地自体もマルハから借りているようで、その賃料もバカにならないという噂も聞こえてきていた。何より見に行くファンにとっても長浦に行くのは不便で、コインパーキングすら近くになく、ようやく辿りついたとしても遅ければすぐに立ち見になるという有様。横須賀の軍港クルーズに参加すると、途中ベイスターズ総合練習場が紹介される一節があり、「あぁ、あんなところにベイスターズの練習場があるのね」とクルーズ参加者に半ば同情されるのであった。個人的には今回の件については、諸手を挙げて賛成したい。株式会社横浜スタジアムの買収に続き、DeNAが横浜から移転することはないという強いメッセージを感じられる。また、従来は保有選手数の上限が70名と決められており、その規模で選手寮の部屋数が決まっていたのが、育成枠制度が出来、保有選手数の上限が70名以上となる可能性もあり、選手寮の部屋数が足りないという問題も各球団で発生していた。ベイスターズの青星寮においても恐らく同様の問題を抱えている(もしくは潜在的にあった)と推測され、選手寮改築でその問題もクリアできそうだ。もちろん観戦に行くファンにとってもワクワクさせられる部分も大きい。先日ソフトバンクの「HAWKSベースボールパーク筑後」がオープンしたことも話題になり、日本ハムのファイターズタウンもファイターズファンを羨ましく思うほどの素晴らしい施設だ。追浜の地に立派なボールパークが出来るかと思うと、本当に待ち遠しくてしょうがない。
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ファーム機能を長浦から追浜に移転
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マクブライドとの契約交渉は難航?
先日ベイスターズとの正式契約が秒読みと報じられていたマット・マクブライドについて、契約が難航しそうな雰囲気が立ち込めてきた。アスレチックスの先発ドゥブロンがトミージョン手術を受けるということで60日間DLに登録され、メジャー25人枠に空きが生じ、運が悪いことにその25人枠にマクブライドが滑り込んだということだ。(私はMLBに詳しくなく付け焼刃ですが)アスレチックスは、昨年オールスターにも出場した正捕手ボートにフェグリーという控え捕手もおり、捕手としての陣容は万全なようだ。ただフェグリーが左手首を痛め、一週間程度様子を見るということで、捕手・外野手・一塁が出来て使い勝手の良いマクブライドに白羽の矢が立ったとのことのようである。ただ、アスレチックスは故障したドゥブロンの代わりにプロスペクトの一人マナエアを金曜日にメジャー昇格即先発させる意向のようで、その代わりにマクブライドがマイナー落ちするだろうとも報じている。これを報じているのは『サンフランシスコ・クロニクル』という現地の新聞で、マクブライドは日本に来ないと報じた5時間後に、マナエアの代わりにマクブライドが降格するだろうと報じている。アスレチックスは、マクブライドを戦力として考えているのか、それともタダで出て行かれるくらいなら少しでもトレードマネーをせしめようという魂胆なのかどうかはいまいち分からない。続報を待ちたいところだ。仮にマクブライドとの交渉が流れた場合は、次の候補と交渉に入ることになるだろうが、さらに時間がかかることになるのは間違いなく、非常に頭が痛いことになりそうである。
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積極性を新たな武器に~下園辰哉~
今年、貧打に苦しむチームにおいて、代打陣の健闘を評価する記事がチラホラと見受けられる。その中心にいるのが下園だ。その下園が今年チームを救ったのは一度や二度ではない。それもそのはずで今年の下園の代打成績は打率.380出塁率.480と驚くべき数字を残しているのである。~元々代打は向いていなかったのでは?~下園は規定打席に到達しレギュラーとして外野の一角を任されたこともある外野手。一番の長所は選球眼の良さで、際どいボールを見極める出塁率の高さにあるわけだが、守備難に加え、かといってレフト等強打者が座るポジションを狙うにはパワー不足。打順にしても出塁率は高いものの、俊足というわけでもないので難しいところがあった。そして中畑監督就任後は少しずつスタメンから代打での起用が増えてきていた。代打こそ難しいところで、試合を決めてほしい場面で欲しいのは出塁でバトンを繋ぐよりも、自らが打って打点を挙げること。中畑監督からも「積極的にいってほしい」といった主旨の内容を下園に対してコメントすることもあり、際どいボールを見極めながら出塁を狙うのが持ち味の下園にとって、代打はあまり向いていないのではないか?と私は考える時もあった。~積極的になった今年~それが今年の下園の打席を見ていて随分積極的になったなぁと感じることが多くなった。漠然とした印象ではなく、数字を調べてみると明らかであった。ファーストストライクに手を出して、安打なり凡打なり結果が付いた打席が一昨年は18.8%、昨年は18.9%だったのが今年は32%と大きく増加。そしてこのファーストストライクに限った打率は昨年は.214だったのが、今年は.375と大きくアップ(といっても一昨年は.421ですが)そしてファーストストライクに手を出しながらも、IsoD(出塁率から打率を引いたもの)は0.94と(昨年0.70、一昨年0.94)依然高レベルをキープしており、持ち味は失っていない。単純に闇雲にバットを振るようになったというわけではないのである。~真の選球眼を獲得へ~選球眼というとストライク・ボールの見極めのことを指すケースが多いと思われるが、絶好球を選んできちんと絶好球に対して見逃さず打つのも一つの選球眼と言えるだろう。際どいボールを見逃すだけではなく、カウントを有利にして苦し紛れに投手がストライクゾーンに放ってきたボールを見逃さず打ち返す。代打の神様への階段を登る下園が、一つ階段を登ろうとしているのかもしれない。
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横浜スタジアムにトラックマン導入
先日発売されたセイバーメトリクスリポート5に、横浜スタジアムにトラックマンが2015年夏頃から導入されているという紹介があった。 トラックマンについては、今シーズン開幕前にヤフオクドームに導入されたという記事が掲載された。その時のスポニチの記事が下記のものである。 バックネット裏の記者席の真上に設置された新兵器は一見すればただの四角い黒い板である。中身は迎撃用ミサイル「パトリオット」を開発する段階で生まれたレーダー式の弾丸追尾システムだ。ヘッドスピード、スピン量、飛距離など正確な数値を計測できる利点を生かし、ゴルフ界では旋風を巻き起こした。 「現状はまだテスト段階ですが、球速、ボールの回転数や回転軸まで分かります。打球も角度、本塁打の正確な飛距離まで分かるようになる」と球団関係者は話した。 対象物にレーダーを発射し、精度の高い計測と分析を可能にする装置は、米国でもMLBが主導して昨季から全30球団が球場に設置し、日本球界では楽天も昨季途中にコボスタ宮城に導入した。先行していたゴルフ界では松山英樹が、持ち運び可能なサイズを約250万円で購入するなど、USPGAツアー、欧州PGAツアーでは公式計測器として採用されている。 リリースポイント、投球角度、回転数などスピードガンでは計測不能だった部分を数値化できる投手は疲労で無意識にリリースポイントがずれた場合など、本人、投手コーチの感覚に頼った修正点をデータとして伝えることができる。また、柳田の瞬きもできないほどの打球さえ、正確に計測し、打球速度、角度、正確な飛距離をはじき出せる。こちらもわずかな調子の波さえ数値で可視化できれば、人間の目だけでは限界のある細部の「助言」が可能となる。出典:スポニチ3月29日果たしてこのトラックマンが横浜スタジアムのどこにあるのか、本当にあるのか気になったので確認しに行ってみた。見つけたトラックマン横浜スタジアムのトラックマンはバックネット裏、記者席の真上辺りに設置されていた。そういえば先日今永が6回90球でマウンドを降りた試合があった。この試合は初回に5点を記録し、先発投手として楽な展開ではあったものの、ラミレス監督の話では試合前から展開関係無く今永を長く投げさせるつもりはなかったようであっさり交代となった。登板間隔が詰まっているならともかく、中6日で登板した先発投手が言わば楽勝な試合展開で球数に余裕があるにも関わらず降板するというのは非常に珍しい采配で記憶にあるのだが、ひょっとするとこのトラックマンで弾き出されたデータでは、今永の疲労を感じ出させる数字が出ていたのかもしれない。また、近年のピッツバーグ・パイレーツの躍進を描いた『ビッグデータ・ベースボール』でキーワードとなったピッチ・フレームもこのトラックマンでは明確な数字として表れているはずで、ボールをストライクに見せるフレーミングに定評があると言われている戸柱が多く起用されているのも、データでの裏付けがきちんと球団では認識されているのかもしれない。今シーズン圧倒的な強さを見せるソフトバンクだが、資金力もさることながら、知恵・工夫でソフトバンクを凌ぐチームが果たして何チームあるだろうか?資金力で敵わないならその分知恵を絞る必要がある。偶々主戦力のキャリアハイが重なれば優勝することはできるかもしれないが、それをフロックではなく黄金期に繋げるためには入念な戦略が必要となるだろう。昨年放送されたクローズアップ現代で、ミナト・システムなる情報管理システムが紹介されるなど、ベイスターズの情報化戦略は、インターネットすら満足に機能していなかったTBS時代とは隔世の感がある。ベイスターズもようやく知恵を絞る下地が出来てきたのかもしれない。
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辿り着いた夢の舞台
世間は三連休というのに月曜日に休日出勤。正直、忙しくて試合の途中経過以前に、この雨で試合自体が行われているかすら確認できていなかった。仕事が一段落して、思い出したかのようにスマホを取り出して諸々を確認。『おっ、CS決めたか』とは思ったものの、『まぁ、3位だからな。そんなに喜ぶべきでもないかな』とか一人でクールぶっていた。ところが家に帰って、風呂に入って、YouTubeで今日の試合の様子を見始めたら涙が滲んできたのであった。
10年連続CS進出を果たした巨人とは対照的に12球団で最後のCS進出。ファンには快挙と思うCS進出も、スポーツニュースではそれほど大きく扱われていないように、世間一般、他球団のファンの方には、「何をそんなに。高々CS進出で大騒ぎとは大げさな」と思うところだろう。やはりそれでも我々ファンにとって、このCS進出は大きな大きな第一歩になったと言っていいのではないだろうか。あえて、私はCSの舞台を『夢の舞台』と表現したい。ひと昔前、本当にチームは弱かった。横浜スタジアムのスタンドはガラガラで、それだけではなく選手がいるはずのダグアウトには選手がおらず、攻守交替の際に出迎える選手もまばら。当時の主将村田修一が『全力疾走』をテーマに掲げ、最下位脱出どころか、勝率3割台は当たり前で100敗を回避できるかどうかが焦点。目標を見失ったチームは、借金を自分たちの脳内で勝手に消去する徳政令を発令(米村ボード)するなど、ただただペナントレースを消化するだけというシーズンが続いていた。そして弱いだけではなく、球団売却騒動もあった。弱くても良い。とにかくチームが存続してほしい。そう考えた時もあった。やはりそういう背景を思い返すと、CS進出というよりも3位という順位に辿り着いたというのは、格別の思いがあるところである。今日の試合開始直前、守備位置にナインが散る場面のダグアウトがテレビで流れた。満面の笑みで談笑し、ハイタッチを交わす筒香とロペス。そして筒香がナインを見渡し拍手をし、高城が何かを喚きチームを鼓舞する。スタジアムDJのコールで筒香がダグアウトから飛び出すと、雨にも関わらず満員の歓声が選手達を包むのであった。ようやく普通のチームになった、良いチームになった。そう思わされた試合であった。さぁ、勝負はこれからだ。
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暗黒の中ただひたすらに輝き続けた星、三浦大輔引退ー
『強いチームに勝って優勝したい』
08年オフ、揺れに揺れたFA宣言。地元紙神奈川新聞ですら一度は阪神移籍を決断と断定的に報じたにも関わらず、三浦大輔はこう発言して横浜ベイスターズへの残留を決めたのであった。それにも関わらず、翌年以降もチームは低迷。勝率3割台が4年続き迎えた2012年。この間にチームの主力が次々移籍し、チームの存在さえも危うかった。自身が150勝目の勝ち星を挙げた時、『横浜に残って良かった』三浦はこうコメントを残した。チームのあまりの低迷に我々ファンも何を目標に応援して良いのか分からなくなっていた。このコメントにどれだけ励まされたことか。勇気づけられたことか。決して順風満帆なプロ野球人生ではなかった。開幕投手直訴からの落選。肝機能障害での離脱。日本シリーズでの炎上。右肘の故障。開幕からの不調で中継ぎ登板に坊主頭。二段モーション厳格化からのフォーム変更。サヨナラ満塁弾被弾。開幕先頭打者初球ホームラン被弾。オープン戦での大炎上からの開幕二軍。
150キロの速球があるわけでもない。代名詞となる変化球があるわけでもない。時にはスローカーブを時にはフォークを時にはシュートを時にはカットボールを時にはスライダーを正確無比なコントロールと無尽蔵なスタミナを武器に、相手が研究してくる中、一つ先を読んで対策を重ね、相手の一つ上を飛び続ける。決して身体的な能力に優れていた訳ではないがその勤勉さで戦って勝ち抜いてきた。かつて暫定エースと揶揄された選手がいつしか、横浜球団史に残るエースとなった。ありがとう、三浦大輔。
9回を投げきり、マウンドで高々と右腕を掲げるポーズを決して忘れることはないだろう。
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山口俊投手へ
2006年6月29日。慢性的な先発投手不足に悩まされていたベイスターズは、この日デビューを飾った一人の高卒ルーキーに一筋の光明を見出していた。一軍初登板初先発を飾った山口俊投手は、巨人打線を5回二死までパーフェクト。
6回2安打1失点という堂々の結果を残し、プロ入り初勝利を飾ったのであった。ただそれから芽が出るのに少し時間がかかった。時には当時在籍していた工藤公康投手に「俺にお前の身体があれば今からでも200勝できる」と工藤流の叱咤激励を受け、時には140キロを計時するのもままならなかった時期もあった。それでも3年目にリリーフとして活路を見出すと、当初の期待とはやや異なる形ではあったものの一軍で欠かせない戦力となった。火の車の投手陣の中、史上最年少での100セーブを達成するなど守護神として活躍。ただ時にはファンからの厳しい声に曝されることもあり、円形脱毛症に陥るなど苦しんだ時期もあった。そして、迎えた2014年6月1日。リリーフで成績が伸び悩んだ山口はこの試合で先発登板。
6回無失点被安打2の快投を見せ、8年ぶりの先発勝利を掴んだのであった。試合終了後、レフトスタンドからの山口コールを気持ちよさそうに眺めていた山口の表情が、私は未だに忘れられない。ラミレス監督よりエースとして指名されて迎えた今季だったが、故障の影響もあり規定投球回数にはわずかに届かなかった。それでも球威・コントロール・変化球・スタミナが高いレベルで安定し、セイバー指標を見てもその存在はリーグ屈指の先発投手と言っていい。年齢的に見てもまだ何年もローテーションを支えることが期待でき、仮にライバルチームへの移籍ということになれば痛手は計り知れない。ベイスターズが苦しい時期に主力として台頭。チーム力が上向きつつある中で、本人にとっても脂がのる年齢に差し掛かりつつある。チームも山口もまさにこれからという段階。山口は苦しい時代を生き抜いた、生え抜きのエースとして今永、石田らの若手を率いて井納と共にチームの先頭を走るべき存在なわけで、流行りの言い方をすればチームのレガシーを三浦からのバトンとして受け継ぐべき存在ではないかと私は思う。苦しい時だけを過ごして、それで良いのか?果たして先発二番手、三番手という立場に甘んじて満足なのか?我々が必要としているのは、先発の何番手ではない。先発の一番手、チームのフラグシップとして活躍するエースとしての山口だ。今回の山口FA宣言については、個人的には結論が落ち着くまでは見守ろうかと考えていた。ただ、ガソリンスタンドの店員の方の説得でトレード志願を取りやめた選手が過去にいたように、万が一でも山口投手の目に触れる可能性があるのであれば、微力ながら声を上げておこうと考えた次第である。何とか残ってほしい。
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外国人スカウト体制を見直し、新体制へ
旧来のTBS体制からDeNA体制に変わり多くのことにテコ入れがされ、結果改善されてきたが、唯一外国人スカウト体制についてはテコ入れをしても中々結果が伴ってきていなかった部分だったように思える。外国人スカウト体制については、TBS時代からのスカウトであるライル・イエーツ氏に、2012年からルイス・ロペス氏を招聘。さらにロペスと同じ年にサンフランシスコジャイアンツで日本駐在スカウトを務めていた嘉数駿氏も招聘。トニー・プラッシュことナイジャー・モーガンや、キューバの英雄ユリエスキ・グリエルというスマッシュヒットはあったものの、ブランコやロペスといった他球団からの移籍組ではない、ベイスターズが新規に発掘した外国人選手がチームの大きな戦力となることは極めて少なかった。投手・野手ともに日本人選手の台頭が目覚ましい一方で、外国人選手が4人フルで活躍してくれればもう少し上の順位を目指せるというのが、非常に歯痒い現状と言えるのではないだろうか。このオフは、山口のFA移籍という手痛い戦力ダウンはあったものの、契約切れだったホセ・ロペスを8000万増額の年俸23000万で残留に成功させると、フィル・クライン(年俸15000万)、スペンサー・パットン(年俸9000万)、ジョー・ウィーランド(年俸9000万)、アウディ・シリアコ(年俸1000万)を獲得。クラインについてはベイスターズとしては異例の高額年俸で他球団との激しい獲得合戦を制すると、外国人枠の関係上リザーブになる可能性もあるウィーランドにも9000万という高額年俸を投入しているところに、今年の本気度が感じられるところである。今オフに外国人選手に対して多額の資金を投入する影に外国人スカウト体制を一新している背景があることが分かった。少し前に外国人スカウトを務めていたライル・イエーツ氏が韓国SKワイバーンズのコーチに就任していることが一部で伝えられていたが、今回のクライン獲得については、8月よりベイスターズのスカウト小林晋哉氏が渡米して数週間に渡る調査の上獲得にこぎ着けたという旨が28日の神奈川新聞で報じられた。そう考えるとベイスターズの外国人獲得体制は大きく変わってきた可能性が高い。グリエルの獲得に尽力した嘉数氏は数年前に退団し、イエーツ氏も退団。ロペス氏の去就は不明だが、今後の外国人スカウト体制は今オフから一新されている。今回獲得したフィル・クラインは高田GMが『彼がやらなきゃ誰ができるの』というほどの自信作。大いに期待したいところである。
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横浜スタジアム、マウンド改修を実施
3月1日神奈川新聞で、このオフの期間に横浜スタジアムのマウンドが改修されたという記事が掲載された。従来は他球場のマウンドに比べ柔らかい土を使用していたようだが、ベイスターズ投手陣の要望を受け、アメリカでも使われている外国産の堅い土を使用するマウンドに改めることになったという。確かに試合中、雨が強く降ってきた際、横浜スタジアムのマウンドはグチャグチャになって、投手がスパイクについた粘土質の土を嫌がっている素振りを見せることは多々あった。一般的にアメリカのスタジアムのマウンドは日本のマウンドに比べ堅いと言われており、ちょうどこれから始まるWBCでもこの堅いマウンドにフィットするために、球団によってはわざわざキャンプ地のブルペンにアメリカ仕様の堅いマウンドを用意する球団もあったほどだ。逆にアメリカから来日する外国人投手で日本の柔らかいマウンドに対応するのに苦労する投手が度々いることは以前から言われていた。特に横浜スタジアムのマウンドは柔らかく、ベイスターズが外国人投手のスカウトに苦戦する背景にはこのような事情も多少はあったのかもしれない。今回堅い土のマウンドに生まれ変わることで、クライン、ウィーランド、パットンら新外国人投手にとって朗報と言えるだろう。外国人投手が日本に来日すると球速が落ちるケースが多く、この原因は、踏み出した足がマウンドに着地した際、マウンドが柔らかいため地面からの反発を得られにくいからという話もあり、ひょっとすると投手陣全体の球速アップも期待できるかもしれない。また、今回の話で興味深いのは、マウンドの改修の要望が選手から出てきたというわけではなく、横浜スタジアムがベイスターズ投手陣に意見を求めて実現したという点である。以前のようにチームとスタジアムが別団体では中々こういった話の流れはなかったのではなかろうか?チームとスタジアムが一体化した良い影響が出てきた一件とも言えるのかもしれない。
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制球難という課題を隠す、球威とチェンジアップというカーテン~濱口遥大~
濱口には謝らないといけないことがある。ドラフト当初、初年度から戦力になるのは厳しいのではないかと思っていたことだ。アマチュア時代のリーグ戦1試合当たりの与四球数は5を超えており、この与四球の数ならとてもではないがプロの一軍の試合では与四球が多すぎて試合にならないのではないかと思ったからだ。実際、濱口の与四球の数はプロ入り後も決して少なくない。与四球率4.70はかなり多い方だ。ではなぜ濱口は先発ローテーションを守り抜けているのであろうか?データを見ていくと、色々興味深い点が浮かび上がってくる。今シーズンセリーグで投球回数20回を超えている29人の投手を比較して、濱口が上位に位置している指標をいくつか紹介したい。奪三振率…2位引っ張り方向の打球割合の少なさ…2位
4シーム平均球速…5位(左腕では1位)空振り率…2位これらの数字を見てみるとコントロールという弱点はあるものの、ボールの威力が破格というのが分かるのではないだろうか?特に4シームの平均球速は先発タイプのサウスポーとしては相当に速く、NPBを見渡しても濱口以上となると菊池雄星くらいしかいない。
1.02で確認できる2014年以降のデータを見渡しても濱口以上のスピードを誇る先発のサウスポーがセリーグにいたのはポレダまで遡らなくてはならないのである。これに得意のチェンジアップは緩急もつけられる上に空振りもとれるウィニングショットで、速く威力ある4シームとのコントラストを非常に鮮明にさせる効果を発揮している。この緩急もあり、中々打者に引っ張られにくいという面もあるのかもしれない。確かにコントロールという難点はあるかもしれないが、それ以上にボール自体に力があり弱点を覆い隠しているというのが現状だろう。巧みな牽制、時折足を上げるリズムを変えるなど起用な一面もある濱口。実は課題はコントロールだけで、その他の部分については非常にまとまっているタイプと言えるのではなかろうか。また、満塁時に8人の打者を迎えて、押し出しの与四球は1つあるものの、被安打0で奪三振6は驚異的でハートの強さも魅力的だ。そして先輩後輩だけでなく、裏方の方にもアドバイスを求めにいく貪欲な姿勢。これこそが濱口の一番の強みなのかもしれない。今は数字的にはやや出来過ぎな感もある。多かれ少なかれ揺り戻しはあるだろう。それでも、この濱口遥大という選手が見せる大きな可能性を見ると今後の活躍を期待せざるを得ない。
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スケールアップしたサウスポーカルテット四男坊~砂田毅樹~
昨年年の暮れ、深夜のことだった。眠気眼で『俺の侍ジャパン』というテレビ番組を見ていて、一気に目が覚めたのである。現役のプロ選手がドラフト形式で現役のプロ野球選手を獲得し、自分だけの侍ジャパンを作り上げるという趣旨の番組だったのだが、巨人阿部慎之介が中継ぎ枠として砂田を指名したからだ。番組的にもファン的にもサプライズと言っていい指名ではあったが、則本が「これはいいよ」と同意しているのを見て、さらに深夜一人で喜んだのであった。そして迎えた今シーズン。オープン戦の段階では先発・リリーフ両睨みという状況ではあったものの、開幕後はリリーフとして起用。徐々に信頼を掴みつつあり、勝ちゲームでの登板も増えて来ており、ベンチの信頼感も日に日に高まってきている。
12試合に登板して防御率0.87whip0.97という数字は満点と言っていいだろう。細かく数字を見ていくと、4シームの威力が昨年より大きく増しているのが分かる。平均球速 138.3キロ→140.1キロ被打率 .376→.118
空振率 3.74→7.58
4シームの平均球速が2キロ弱上昇。それに伴い被打率は3分の1以下、4シームの空振率も約2倍向上。元々細かった身体が徐々にプロの身体付きになってきたのか、リリーフに専念したことで全力投球しているからか、4シームのパワーが昨年よりも大きく向上していることが好調の背景にありそうだ。また、別の数字を見ていくと次のデータでも良化が見られた。ボールゾーンスイング% 29.1→34.7
ボールゾーンコンタクト% 68.8→44.0
ボールゾーンをスイングさせる割合が増えて、かつバットに当たる確率が大きく低下しているのが分かる。さらに初球がストライクゾーンに投じられた割合も46.2%から60%に向上。
4シームの威力が増したことで自信をもって初球からカウントを取りに行き、カウントを有利にしてボール球で勝負できるようになっている裏付けになっているのかもしれない。さらに配球面でも昨年との違いが見受けられる。昨年は10.67%投じられていたスクリューが今年はまだ投じられていない。サウスポーが投じるスクリューは一般的には右打者相手に使われることが多いと思われるが、これを封印。確かに今年の砂田を見ていると、右打者相手でもスライダーを外から曲げてみたり、インローに落としてみたりとスライダーとストレートを駆使している印象があった。これが功を奏しているのか、課題であった対右打者被打率も.311から.211と大きく向上させている。開幕して一ヵ月。開幕前はストロングポイントと思われたリリーフが中々うまく回っていない。昨年より大きく成長を見せる砂田が、今後チームの救世主として活躍する可能性は十分にあるだろう。※こちらの記事は『1.02-DELTA Inc.』『データで楽しむプロ野球』を参考に作成しています。
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歴史と共に今反撃開始
別に村田修一、山口俊に恨みがあるわけではない。むしろベイスターズ在籍時には、死力を尽くしてくれたわけで、そのことには感謝をしなければならない。しかし、2017年7月2日。巨人のオーダーを見た時、今日だけは絶対に負けて欲しくない。そう強く思ったベイスターズファンは私だけではなかったのではないだろうか。
2011年シーズン最終戦。この日行われた東京ドームでの試合は、『横浜ベイスターズ』としての最終戦でもあった。
4番に座ったのは、この試合がベイスターズ最後のユニフォームとなった村田修一。結局この試合は、村田修一が二本のホームランを放つものの、サヨナラ負けを喫したわけだが、打たれたのは当時のクローザー山口俊であった。
6年の歳月を経て、巨人のスタメンの4番は村田修一、役割が変わったとはいえ、先発は山口俊。こう言うと巨人ファンの方には顰蹙を買いそうだが、まさにTBSベイスターズの亡霊とも言えるスタメン。高々一試合ではあるのだが、DeNA体制となって6年間。チームは変わった。少しは強くなった。そのことを証明するためにも、この試合は勝たなくてはいけない試合であった。あえて試合展開を振り返る必要はないだろう。我々は、『歴史と共に 今 反撃開始』しているのである。
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号泣する準備はできていなかった
私はたぶん泣き出すべきだったのだ。長い長い低迷期。日本シリーズなんか夢のまた夢。いつの頃からかクライマックスシリーズ、日本シリーズはドラフトの前後にぼんやりと野球シーズンが終わるのが淋しいからぼんやりと見るといったものだと認識していた。まさかその日本シリーズにベイスターズが出られるなんて、1カ月前だって夢にも思っていなかった。やっとの思いでクライマックスシリーズにこぎ着けた時、これでもう少しだけベイスターズのユニフォームを見ることができるな。他のベイスターズファンはどう思っていたか分からないけど、自分は本当にそう思っていた。でも少なくともベイスターズナインはそんなこと思っていなかった。横浜に戻ってくる。そう自分達、そしてチームメイトを信じていたんだろう。去年の骨折しながらの梶谷のホームラン、今永の涙、最後まで火を噴かなかった筒香のバット。そんな去年の悔しさ全てをぶつけるような今年のクライマックスシリーズでのナインのプレー。ナインを信じていなかった自分がどこか恥ずかしかった。ただラミレス監督がシャーレを受け取っているシーンを見ても、自然と涙は出てこなかった。何かどこか化かされたかのうような、不思議な気持ち。号泣する準備なんか出来ていなかった。
WBCで優勝した時、内川が故障離脱した村田のユニフォームを掲げて笑顔で喜んでいた。いつかベイスターズでも同じ姿が見られることを期待した。ところが優勝どころか、2人ともいなくなった。二番手捕手を放出したら正捕手もいなくなった。守護神のホームページが、移籍が正式にリリースされる前に背景が東京ドームに差し換わった。そしてチームもなくなりかけた。シーズンは3位。この短期決戦で14.5ゲーム差をつけられて優勝した広島カープの上に来たなんて口が裂けても言えっこない。でも長いことこのチームを応援し続けてきて、本当に良かった。今日の試合を勝った時、やはり泣き出すべきだった。でもこの涙は日本シリーズ後にとっておこうと思う。今度はナインを信じたい。
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FA戦線に名乗りか?プロテクト枠を考える
日本シリーズも終わり、早速来季へ向けて戦力補強のニュースが紙面を賑わせている。ベイスターズも、FAで阪神タイガースの大和、西武ライオンズの野上といった選手の獲得を狙うという報道が一部でされている。二人ともいわゆるFAではBランクになると言われており、無事獲得に成功したとしても人的補償を要求される可能性が生じることになる。大和、野上ともに年俸が5000万だった場合、人的補償を要求するかどうかの金銭面の差額はわずか1000万。大和・野上らFA選手の獲得に成功した場合、金銭補償との差額はドラフト下位選手の契約金より安くなり、支配下選手枠で問題がなければまず間違いなく人的補償を要求されると見ていいだろう。そこで今回は、人的補償に伴うプロテクト枠を考察してみたい。なお、人的補償されないようなプロテクトを組むというのは現実的に難しく、今回は取られたら困るという観点でプロテクト枠を考えたいと思う。本来ならば球団別に多少選手を入れ替えて2案作成すべきなのだろうが、取られたら困るという観点での作成となるのでひとまず1案の提示にしておきたい。ちなみに人的補償で獲得できない選手は次の3パターン。・プロテクトした28名の選手。・FA権取得により日本人扱いになった選手を含む外国人選手(該当なし)・直近の17年ドラフト会議で獲得した新人選手。ちなみに、以下の日本人選手はプロテクト枠に含まれなければ人的補償の対象になる。・支配下選手登録されたFA獲得選手。・支配下選手登録されたトレード・自由契約選手。・複数年契約選手。考察に当たって、主力級・プロスペクト枠・中堅ボーダー枠といった順を追って考えていきたい。まずはグリグリの主力級だ。投手1.石田 健大2.井納 翔一3.山崎 康晃4.今永 昇太5.濱口 遥大6.三上 朋也7.田中 健二朗8.砂田 毅樹捕手9.戸柱 恭孝10.高城 俊人11.嶺井 博希内野手12.倉本 寿彦13.柴田 竜拓14.宮崎 敏郎15.梶谷 隆幸16.筒香 嘉智17.桑原 将志恐らくここら辺の選手をプロテクトするのは大きな異論はないだろう。続いて見ていきたいのが、来年の戦力としてもだが、将来の成長も期待したいプロスペクト枠だ。投手18.熊原 健人19.尾仲 祐哉20.飯塚 悟史21.綾部 翔22.京山 将弥内野手23.松尾 大河外野手24.乙坂 智 25.細川 成也26.関根 大気これで26名となり、残りは2名となる。個人的に中堅ボーダー枠としたいのは、三嶋、須田、平田、進藤、白崎、石川、佐野、荒波の8名だ。よくプロテクト枠の議論で出てくるのは、昨年のドラフト指名選手だ。ルーキーは指名元との関係を考えて、プロテクトしないとまずいのではないかという論調が出てくる。何もプロテクト枠については一般公開されるわけではない。ヤクルトが当時巨人のルーキーだった奥村を指名した過去を見ても、そのような不文律は現場にはないと考えて良い。また、自チームのプロスペクトの過大評価も良く見る話しだ。一部のトッププロスペクトを除けば、基本的に自チームの期待の若手と同レベルの期待の若手はどの球団にもいる。これらのことを踏まえて、残り2枠。今取られたら困る選手を選びたい。27.須田 幸太28.白崎 浩之 シーズン中は不調に陥ったものの、ポストシーズンで存在感を見せた須田。内野どのポジションにも就けて、長打力もある白崎を個人的に入れた。先発・リリーフどちらでもできる三嶋に今季33試合に登板した平田。この辺りの選手をどうするかは、プロテクトリストを考える方によって異なってくるところだろう。以上、まとめると私的プロテクト枠漏れは次の通りとなる。~投手~加賀、三嶋、福地、平田、進藤、野川、平良、国吉、藤岡~捕手~西森~内野手~石川、狩野、山下、飛雄馬、佐野、G.後藤武敏、百瀬、田中~外野手~荒波、青柳、白根個人的な感想としては、28名のプロテクト枠で主力選手はもちろんのこと、どうしても獲られたくない期待の若手までとりあえずはプロテクトできるなと感じた。無論、CSでも登板した三嶋、ビハインドを中心に登板した平田、ファームの被安打率で優秀な進藤、球威のある国吉、長らくチームに貢献した石川・荒波など誰でも獲られたら残念、痛いなとは思うが、何もプロテクトから外した選手が全員いなくなるわけではない。そのことは覚えておく必要があるだろう。っと今回はここまでとしたい。長くなってしまったので、大和・野上がベイスターズにとって必要かどうかについては、次回の記事にて検証してみたい。~お願い~・「俺なら〇〇をプロテクトに入れる」等のご意見は「あっそうですか」としかなりませんので、ご自身のブログ、Twitter等でお願いします。
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初代キャップは横浜一筋。~来季の石川雄洋に期待すること~
ミスター横浜球団となると誰だろう。ホエールズ初優勝時の主戦投手で監督も務め、TVKでの解説でも鳴らした秋山登。球団史上唯一の200勝投手平松政次。沢村賞も獲得した遠藤一彦ら、様々な人が挙がるだろう。では、ミスター横浜ベイスターズは誰だろう。大魔神佐々木主浩、二年連続リーディングヒッター鈴木尚典。ハマの番長三浦大輔らの名前が挙がりそうだ。それでは、ミスターDeNAは誰だろう。恐らく多くの人は、4番としてもキャプテンとしても存在感を発揮する筒香嘉智を推すのではないだろうか。でも個人的にはここまで6年間の短いDeNA球団史の中で見たミスターDeNAとして、初代キャプテン石川雄洋を挙げたい。今年クライマックスシリーズを勝ち抜いた際のビールかけの場面でナインがはしゃぎまわる中、クライマックスシリーズで一軍登録されていなかった石川の姿は当然なかった。現在の主力選手だけでなく、OBの姿やコメントが紹介されて、どこか同窓会のような雰囲気も漂うCS突破の場面で、石川の姿もコメントもなかったのはどこか少し不思議だったし、さびしかった。ここまでの通算打率.258、通算本塁打21本に獲得したタイトルはなし。ベストナインにゴールデングラブ賞もなし。それどころかオールスター出場経験もない。打席数4000を超える選手で何年もレギュラーを張っていたにも関わらず、このように本当に何もないという選手は案外珍しいのではないだろうか。好調時には巧みなバットコントロールを活かして、広角に打ち分けることはできるが、年間を通して打率3割に乗せたことはないし、長打もあまりない。それほど盗塁を稼げるわけでもないし、セカンド・ショートの守備でもそんなに魅せる方でもない。ないないない尽くしなのである。身も蓋もない言い方をすれば、これくらいの数字の選手を追い越す選手が長年現れず、長年レギュラーを張れてしまったからチーム自体が弱かったとも言えるのかもしれない。レジェンドマッチのポスターに、石川の紹介文として、『初代キャップは、横浜一筋』という文句が書かれていた。地元横浜高校からベイスターズ生え抜きとしてのアイデンティティは、フランチャイズプレイヤーそのもの。(二代目キャップも横浜一筋なのを突っ込むのは野暮というものだろう)ラミレス監督就任時は一番セカンドとして期待されていたが、自身の故障や柴田の台頭、田中の獲得、更にはFAで大和の獲得にも乗り出し、年俸も800万ダウンと来季の石川は正念場となる。正直、置かれている立場を見るとフル出場でのレギュラー再獲得は難しいかなと思わなくもない。でも、巧みなバットコントロールを活かした代打の切り札。このチームに足りないポジションでなら、石川の経験を活かして、球場の雰囲気を一変できるのではないかと思う。来年こそは歓喜のビール掛けの場面で、石川の噛み噛みのコメントが聞けるのを期待したい。
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トラトラトラ!ベイ大和獲得ニ成功セリ
阪神タイガースよりFA宣言していた前田大和選手の獲得が発表された。セカンド・ショート・外野を守れ、しかもいずれのポジションでも極めて高い守備力を誇るユーティリティプレイヤーである。ベイスターズは外野手が豊富ということもあり、想定されるポジションはショートあるいはセカンドでの起用となる。
2017年の大和は、セカンドでは145.1回守備に就いてUZRは6.8、ショートでは431.1回守備に就いてUZRは8.2と限られた守備イニングに関わらず、高いUZRを叩き出している。ベイスターズにもショートに倉本、セカンドも柴田が台頭するなど、全くいないわけではないのだが、倉本は攻守ともにセイバー指標は芳しくなく、柴田も通年での活躍を期待できるかは不透明な部分もある。大和についても故障離脱が少なくなく、通年で万全のレギュラーとなるかどうかは難しいところもありそうだが、このレベルのユーティリティプレイヤーが加入するのは、二遊間の底上げにはうってつけと言えるのではないだろうか。大和が活躍できるかどうかはバッティングにかかっている部分も大きい。というのも、war3.3を記録した2014年は打率.264、war2.4を記録した今年は打率.280と打撃が好調だった年はwarも大きく伸びている。半面、打率.225に終わった2015年のwarは0.4、打率.231に終わった2016年のwarは0.7と低い数字で終わっている。弱点と言われる打撃でどれだけ貢献できるかどうかが、獲得成功のポイントとなりそうだ。大和は今年から左バッターに挑戦したスイッチヒッターだが、例年右投手の対応に苦戦していた。下記は左が対右投手打率で、右が対左投手打率となっている。
2017 .270 .298
2016 .191 .286
2015 .222 .229
2014 .258 .280
2013 .262 .297
左投手については2015年以外はいずれも打率.280以上を記録し、割と見られる数字で安定している。半面、右投手相手となると2013年に.262を記録したのが最高で、昨年は.191と大きく苦戦を強いられていた。これが左打席に挑戦した今年は対右投手に対して.270と過去5年間で最高の数値となり、これが今年の打率.280に結びついたといえそうだ。この左打席の好調さが来年も続くかどうかが大きなポイントとなりそうである。ショートに大和が入ることで、来年のベイスターズは守備面でも他球団に比べてアドバンテージを得られそうだ。ゴロ投手である井納・濱口にとっては特に心強いバックとなってくれそうである。
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ブログ引っ越します
スポナビブログ閉鎖に伴い、ライブドアブログに引っ越しを行います。
DB.スターマンの憂鬱更新頻度はそれほど高くはならないと思いますが、気が向いたときに更新をしていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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